
「非難」から「生物学的理解」へ:肥満治療の新たな時代
Obesity Mattersのサンドラ・エリア氏、そしてNYUランゴーン・ヘルスのプリヤ・ジャイシンガニ医師です。
その議論によって一つのことが明らかになりました。それは、肥満を単なる「意志の弱さ」によるものとみなす見方から脱却し、複雑かつ慢性の代謝性疾患として理解する方向へと、議論がいよいよ動き出しているということです。この新たな時代には、より優れた診断ツールの開発、肥満に対する構造的なスティグマ(社会的偏見・烙印)の解消、そして患者が意思決定の場において恒久的かつ強力な役割を担うことが求められています。
BMI:不完全な指標
1970年代、BMIは肥満に関する集団調査の標準的な指標として採用され、1997年には世界保健機関(WHO)が肥満の臨床分類にBMIを採用しました。BMIは個人の身長と体重に基づき健康状態を大まかに評価できるものの、体組成や筋肉量など、疾患に関与するその他の要因は考慮されていません。司会を務めたPerspectum社の最高戦略責任者(CSO)、ケリ・ヒルディック博士は冒頭の挨拶で、「この計算方法では、疾患の複雑さや患者の体験、そして治療をどのように進め最適化すべきかといった点が考慮されていません」と述べました。
パネリストのサンドラ・エリア氏が語った、自身の肥満体験ほど力強く、かつ議論の前提を明確に示した場面はありませんでした。「Obesity Matters」の代表であり、認定フード・アディクション(食物依存症)・カウンセラーでもあるエリア氏は、初めて減量を勧められたのは9歳の時だったと語ります。「100ポンド(約45キロ)以上減らす必要があった時も、20ポンド(約9キロ)減らす必要があった時も、私は減量を求められてきました」。彼女は、周囲からの批判や偏見にさらされ続けた人生を振り返り、その一例として「パートナーを見つけたいなら20ポンドほど痩せるべきだ」とセラピストに言われた経験についても語りました。

医療関係者が彼女のBMIに執拗にこだわっていた状況を沈黙させたのは、体重計の数値ではなく、彼女自身の身体の内部を初めて詳細に把握することを可能にした精密な診断スキャンでした。
エリアは、心臓、肝臓、肺、腎臓、膵臓、脾臓の状態を調べる「CoverScan(カバースキャン)」という検査を受けました。体組成が詳細に示された検査結果からは、炎症が全くなく、肝臓の脂肪はわずか2%、腎臓も健康で、内臓脂肪量も適正範囲内であることが明らかになりました。彼女は初めて、自分の体に「誇り」を感じました。「『サンドラ、あなたは減量する必要なんてないんですよ』と言われたんです」と彼女は語ります。「(その結果は)長年、人知れず続けてきた努力が報われた証しでした。何よりも、それによって長年抱えてきた恥の念が消え去り、自己肯定感やモチベーションが大きく高まりました。テクノロジーの力があれば、私たちは『自己責任』を責める段階から、生物学的な事実を理解する段階へと進めると、私は心から信じています。」
CoverScanやDEXAスキャンといった技術は、体脂肪、筋肉量、骨密度など、個人の体組成を正確に評価するものです。「BMIが高いからといって、直ちに『肥満』というレッテルを貼るべきではありません。それは単に、体組成が異なるということを示しているに過ぎないのです」と、ロシュ・ジェネンテック社で心血管・腎・代謝領域の製品開発担当シニア・バイス・プレジデント兼グローバル・ヘッドを務めるマヌ・チャクラヴァルティ博士は述べています。
パネルに参加した2人の医師、UTサウスウェスタン・メディカル・センターで内科准教授および「ウェイト・ウェルネス・プログラム」の医療ディレクターを務めるハイメ・アルマンドス医師と、NYUランゴーン・ヘルスで臨床助教授および肥満症専門医を務めるプリヤ・ジェイシンガニ医師は、肥満の唯一の指標としてBMIを用いることから脱却する必要があるという点で意見を一致させました。アルマンドス医師はBMIを「不完全なツール」と評し、「健康であるためにはBMIが18.5から24.9の範囲内でなければならない」という考え方に対して警鐘を鳴らしました。
ジェイシンガニ医師もこれに同意し、臨床の重点を患者個々の目標へと移すとともに、患者の健康状態を包括的に把握できるツールや技術を活用していく必要があると強調しました。
新たな測定の焦点:体組成
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬のような強力な新規治療薬の登場は、肥満に対する認識を根本から変えました。しかし、パネルディスカッションで議論されたように、GLP-1受容体作動薬は全体像の一部に過ぎません。イーライリリー・アンド・カンパニーで国際メディカル・アフェアーズ担当シニア・バイス・プレジデントを務めるレイチェル・バッターハム博士は、肥満に対する認識を変える必要性を説きました。「多くの人は肥満を疾患として認識しておらず、依然として生活習慣の選択の結果だと捉えています。そこに根本的な問題があるのです」と彼女は述べました。「私たちは社会全体として、肥満を改めて健康問題として捉え直し、こうした薬剤が人々の健康を取り戻し、寿命を延ばすものであると理解する必要があります。」
こうした新たな知見により、関心の対象は「体脂肪の量」から「脂肪がどこに蓄積しているか」へと移りつつあります。「体組成に注目することは極めて重要です。なぜなら、それによって疾患の明確なリスク要因が明らかになるからです」とチャクラヴァルティ医師は述べています。
全身スキャンでこれを測定することは可能ですが、専門家委員会は、高精度であるために必ずしも高額な費用が必要なわけではないという点で合意しました。バタラム博士は、BMIよりも心代謝系疾患のリスクを予測する上で強力かつ利用しやすい指標として、簡便な「身長に対するウエストの比率(ウエスト・身長比)」を挙げました。
構造的な障壁:スティグマ、アクセス、教育
科学的根拠がこれほど明確であるにもかかわらず、なぜ、思いやりに基づき、かつ精密な手法であるこのアプローチが広く普及していないのでしょうか。専門家委員会は、克服すべき課題として、根深く存在するいくつかの構造的な障壁を指摘しました。
第一に、医学教育における驚くべき欠落が挙げられます。「世界的に見て、医学部では肥満について教えられていません」とバタラム医師は指摘します。こうした教育段階での不備により、何世代にもわたるプライマリ・ケア医が、結局は「食べる量を減らし、もっと体を動かす」という、ありきたりで効果の乏しい助言を繰り返すことになってしまっているのです。
こうした医療面での格差は、第二の障壁である「文化的なスティグマ(偏見や烙印)」を助長しています。「決めつけを捨てれば、私たちは真の解決策を見出すことができます」とサンドラ・エリア氏は語ります。「決めつけは、実際に苦しんでいる当事者を非難することにつながります。そして『恥』の意識は、私たちを病気のままに留めてしまうのです。」
こうした問題を解決するには、あらゆるレベルにおいて患者の声を意義ある形で取り入れる必要があると、パネルは結論付けました。「信頼の姿勢を示したいと考える組織であれば、当事者としての経験を持つ人物を意思決定の場に迎え入れる必要があります」とエリア氏は述べました。
肥満ケアの未来:脳の健康、予防、そして思いやり
今後の展望として、専門家パネルは肥満治療の新たなフロンティアが「脳」にあると見ています。「肥満は究極的には脳の疾患であると言えるかもしれません」とチャクラヴァルティ医師は述べました。「(減量薬は)食欲や満腹感を制御する脳の領域に作用します。私たちはこうした経路をさらに活用し、代謝適応を克服するための新たな手法を開発していく必要があります。」

肥満治療に関するパネリストたちの5カ年ビジョンは、個別化と予防を軸とするものでした。「代謝疾患治療の分野において、我々はまだ氷山の一角に触れたに過ぎません」とジェイシンガニ医師は述べました。「現在は、より早期の診断と治療の最適化を目指している段階です。私の願いは、患者さんへの共感を大切にしながら、臨床ケアのあり方を『個別化された予防』へと転換していくことです。」
この「ガリアン・ペイシェント・サミット」のパネルディスカッションの録画は、こちらからご覧いただけます。

